正常な抜け毛と異常な抜け毛

毛穴の奥には毛母細胞があり、その奥に毛乳頭という部分があります。毛乳頭には毛細血管が絡みつき、血液が供給されます。
毛乳頭は、毛母細胞に栄養素を渡す役割を果たしています。毛母細胞は毛乳頭から栄養素を受け取り、活発に細胞分裂をおこない毛髪をつくります。
毛穴の脇に皮脂腺という器官があり、頭皮に潤いを与えるために皮脂を分泌します。
一定の年数を経ると、この細胞分裂がストップし、毛が抜けます。通常は、抜け毛と同時期に、同じ毛穴から新しい毛が生え始めるので、頭髪の本数が極端に変化することはありません。
これが、正常な発毛と抜け毛のサイクル(毛周期)です。
ですから、正常な発毛と抜け毛のサイクルには、血液の流れ、毛乳頭、毛母細胞、皮脂腺のそれぞれが健康である必要があるわけですが、これら1つでも良い状態が損なわれれば、発毛のサイクルに支障が出ます。



異常な抜け毛の要因

以下に示すのは、正常な発毛と抜け毛のサイクルを乱す一般的な要因です。


男性ホルモンの影響

男性型脱毛症のしくみは、まだ十分に解明されていませんが、男性ホルモンの過多によって生じる発毛と抜け毛サイクルの乱れが、男性型脱毛症を引き起こすといわれています。
この男性ホルモンを原因とする抜け毛は、遺伝的要因、加齢、食生活の影響、ストレスなど、様々な要因が重なって生じるという説が一般的です。


頭皮の血行の悪さ

頭皮の血行が悪くなり、毛乳頭に血液が十分に行き渡らなくなり、毛母細胞への栄養が不足して毛髪の生成が妨げられます。
それが、正常な発毛と抜け毛のサイクルを妨げ、正常な脱げ毛のあとに生えてくる髪が細くコシの無い、または正常な抜け毛の後、次の髪がなかなか生えてこない、ということにつながります。
頭皮の血行を悪くする要因として、睡眠不足、ストレス、過度のダイエットによる栄養不良などがあげられます。
また、血管を収縮させる作用を持つタバコ(ニコチン)も、血行の悪さの原因になります。


皮脂の分泌過多

異常な皮脂の分泌によって頭皮に汚れが過度に付着し、その皮脂と汚れによって毛穴が詰まってしまい炎症を起こします。
異常な皮脂の分泌の要因の中には、ストレス、ホルモンバランスの変化、栄養バランスの偏った食生活や肉中心の食生活による皮脂の質や粘度の変化があげられます。また、毛穴を詰まらせる汚れの中には、大気に浮遊する汚れのほかに、十分に洗い流されなかったシャンプーや整髪剤なども含まれます。


そのほかには、髪が日常的に引っ張られている状態が続くことで生じる牽引性の抜け毛があります。これは、日常的に日本髪を結う女性や、普段からポニーテイルのような髪を束ねるヘアースタイルをされる方によく見られる脱毛症です。